ペットのお葬式をする人が増えた理由

近くなった距離

昨今、飼っていた愛犬、愛猫が亡くなったとき、お葬式を執り行う人が増えてきています。
その理由としてもっとも大きいのは、犬や猫と人間との距離の変化です。
犬の場合でいえば、かつては家の外に犬小屋があり、そこにつながれて番犬としての役目を果たしていました。

家族が接すると言えば、散歩のときか、餌を与えに行くときくらいのものでしょう。

家を出るとき、帰ってきたときに頭をちょっと撫でるといったこともあったかもしれませんが、犬は家の外にある犬小屋にいることが当たり前の存在でした。
猫に至っては、飼い猫であることを示すために首輪はつけるものの、もともとが自由に外を歩き回り、気が向けば家に帰ってくるという性分です。
そのため、今日は家にいるのかといった程度の認識で、家族は接していたでしょう。
その距離が変わったのが、お座敷犬と呼ばれる、家の外の犬小屋ではなく、ずっと家の中で飼われる犬が現れたことです。
その後はどんどん認識が変わり、よほど大型犬でなければ、ほとんどの犬が家の中で暮らすようになりました。

猫も同様に外へ出さないようにし、外へ出たがるときにはリードをつけて、犬と同じように散歩スタイルをとる飼い主も現れるほどです。
けれども、家猫にすることによって、他の猫とケンカをし、ケガをするリスクが格段に減りました。
また、もっとも大きく変わったのは、ずっと家の中にいることにより、人間との距離がぐんと縮まったことです。

ペットから家族へ

家の中で人と一緒に暮らすのが当たり前になった犬や猫たちは、人間の生活サイクルに合わせ、自らの行動パターンを変えるなどして柔軟に対応するようになりました。
その結果、共に眠り、共に遊び、人との間に築く絆がより深くなっていったのです。
そうなると、もはや犬も猫もペットではなく家族であり、買い物はもちろん、旅行に一緒に行くことすらも珍しくなくなりました。

家族なのだから当然という認識に変わった人間側の、象徴的な行動です。
犬も猫もそんな飼い主の愛情をしっかりと理解し、受け止め、それ以上に愛情を与えてくれます。
言葉を持たないことから、存在そのものが人間にとって慰めになったり、救いになるのです。

けれども、そんな犬や猫は、人よりも早く年を取り、そして天国へと召されていきます。
人との距離がぐんと縮まり、家族となった以上、その死が悲しくないはずがありません。
中には、何をする気にもなれないほど落ち込み、しょんぼりしてしまう人もいます。

そうならないために、家族として愛した人ほどきちんとしたペットのためのお葬式を執り行う必要があります。
命あるものはいつか天に召されるのが宿命ですし、その最期の儀式をきちんと行うことが、ペットという家族に対する手向けでもあります。

人とほぼ同じ手順で

ペット専門の葬儀社にお葬式を行いたいと依頼すると、犬も猫も、人と同じ手順で弔ってくれます。

亡骸を納棺し、火葬場へ運んで読経が行われる中、火葬されます。
お骨を拾い、骨壺に納め、家で四十九日まで弔うこともできれば、火葬のあと、共同墓地に埋葬することもできます。
火葬後、すぐに納骨ということであれば、この時も僧侶が立ち会い、読経してくれます。

人と完全に同じかというと、やはり多少は簡素化される部分があり、ほぼ同じ手順といった方がいいかもしれません。

とはいえ、火葬、お骨上げ、納骨と、人と同じことをペットたちのお葬式でも行いますし、その際にきちんと読経もしてくれます。
これらを体験することによって、愛犬、愛猫がもうこの世にいなくなったということを、しっかりと受け止められるでしょう。
人との距離が近くなったがゆえに、その死に嘆き悲しみ、おぼれてしまわないために、きちんとお葬式をする人が増えてきたのではないでしょうか。

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