ひきずらないためのけじめの儀式

いつかはやってくる別れ

ペットとの暮らしは、いつの間にかそれが当たり前になってしまいます。
犬にしても猫にしても、愛情をもって接すれば必ずなついてくれ、無償の愛を返してくれます。
動物との間には人間同士の間で必要な駆け引きは一切なく、正直な自分でいることができます。

だからこそ、人にとって犬や猫はかけがえのない存在となるのでしょう。

犬猫たちのための動物医療も進化し、犬なら15年以上、猫なら20年近くまで寿命が延びましたが、それでも人の平均的な一生に比べるとうんと短く、あっという間という感じすら受けます。
毎日共に暮らし、笑って遊んで、世話をする必要もありますが、いつの間にかそれが日常の生活になっています。
いつかは別れがやってくることを覚悟して暮らしている人は、おそらく少数でしょう。
すでに愛犬、愛猫との別れを経験した人だけが、別れが来る日のことを意識しているのではないでしょうか。
初めて動物を飼った人なら、その存在がそばからいなくなるということを考えもしないことの方が多いと思われます。

けれども、確実にその別れはやってきます。
その時に受ける精神的ダメージは、愛犬、愛猫を大事にしていた人ほど大きくなりますし、覚悟をしていなかった人もまたしかりです。

ペットロスを防ぐ

愛犬、愛猫を失ったとき、住んでいる地域の保健所に連絡をすると亡骸を引き取ってくれます。

そして、火葬し、共同墓地へ骨を埋葬してくれます。
これはこれで弔いの方法ではあるのですが、亡骸を市の職員にそのまま預けるため、まるで持って行かれてしまったような悲しみを覚えてしまいます。
そのため、ますますその存在を失った悲しみ、いわゆるペットロスに陥ってしまうことがあります。

人によっては、何も手に付かない状態にまで落ち込んでしまうほど、大きな影響を与えることだけに、ペットを飼うときには、その死を受け止める覚悟を持っておくことが大事です。
そのためには、最後のお別れとして自ら葬儀の手筈を整え、愛犬、愛猫を弔ってやることが重要です。
昨今、動物たちの葬儀を専門に引き受ける業者が増えていますが、その際に重要なのは、専門に葬儀を行っているからといって、亡骸をそのまま預けてしまわないことです。

預けてしまっては、市にお願いするのと何ら変わりません。
違うことといえば、お願いすれば遺骨が戻ってくるだけですが、変わり果てた姿に、さらに悲しみが募ることでしょう。

そうならないために、自ら葬儀に参列し、最初から最後まで見届ける必要があります。

気持ちの整理がつく

ペット専門の葬儀社でお葬式を依頼すると、人とほぼ同じ内容で葬儀を取り計らってくれます。
亡骸を納めた棺の中には、生前好きだったおもちゃやお菓子などを入れてやれますし、火葬する際には僧侶が読経をしてくれます。
お骨を拾うにしても、一部だけを拾って小さな骨壺に納めることもできれば、総骨を上げることもできます。

火葬により、愛犬、愛猫の体を形作っていた体が骨になったこと、そしてお骨を拾うことにより、気持ちの整理がついていきます。
家族みんなで無事に天国へと送ってやれたという事実が気持ちを落ち着かせ、今度は彼らが与えてくれた幸せに心から感謝したいという気持ちが強くなってきます。
お骨はそのまま埋葬することもできますが、人と同じように四十九日、あるいは百か日と決めて埋葬することもできます。

お骨にしてからいったん家に連れ帰り、土に返す日まで祭壇を作り、お線香をあげていると、もう旅立っていったんだなという実感がわいてきます。
納骨の際には再び僧侶が読経し、共同墓地、もしくは愛犬、愛猫のために買った専用墓地に埋葬してくれます。

こうしてお葬式をすることで気持ちの整理がつき、幸せな生涯を送らせてやれたと思えるようになれます。
そうすれば、徐々にその存在を失った悲しみよりも、楽しかった想い出が多くよみがえってくるようになるでしょう。

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